品種・・・佐藤錦
大正元年(1912年)に山形県東根市の佐藤栄助氏がナポレオンに黄玉を交配してできたと推定される品種です。命名は同市の苗木商である岡田東作氏が昭和3年(1928年)に行いました。生食用が主体となった昭和50年代以降植栽が増え、最主力品種となっています。
果実は6g程度ですが、摘果等により10g程度の大玉生産も行われています。果肉は比較的軟らかく、乳白色で着色はありません。糖度は14%以上で20%を超えることもあります。酸度は0.5%程度で、甘酸のバランスが良く、味は現在の品種の中で最高の部類に属します。
収穫時期は6月中旬~7月上旬。
品種・・・ナポレオン
品種の来歴は明らかではありませんが、古くから栽培されている品種です。18世紀初めにはヨーロッパ諸国で栽培され、現在でも世界各地で栽培されています。本品種には異名が数種ありますが、ナポレオンという名は1820年に付けられたといわれています。その後アメリカではオックスハート又はロイヤルアンと呼ばれていましたが、1862年果実学会誌にナポレオンと掲載されたのを契機に元の名で呼ばれるようになりました。
日本には、1872年(明治5年)に勧業寮によって導入されました。1910年に「那翁(ナポレオン)」と名称が統一されるまで山形県では、10号と呼んでいました。
果実は6~7g程度。果肉はクリーム色で果汁は多く、生食、加工とも向いています。果肉は硬く、輸送性に富みます。糖度は16%程度で、酸度は0.8~1%と佐藤錦より酸味が強いですが、完熟したものは味が濃く、おいしいです。
収穫時期は6月下旬~7月上旬の晩生種です。